オーストラリアは、外国人でも簡単に銀行口座を開設することができ、
うまく運用すれば、年間数万円、もしくはそれ以上の利息が生まれる。オーストラリアの金利は日本の約30倍で、効率よくお金を増やせる。
永住者の私も複数の口座を持ち、お得な運用方法を探し続けてきたので、今までの経験を振り返りつつ、オーストラリアの基本的な銀行選びから、開設方法はもちろん、
知っておいて損はない運用方法について初心者にもわかりやすく解説していきます。
オーストラリアの大手銀行
オーストラリアの大手銀行は、
- NAB (National Australian Bank) ナブ
- CBA (Common Wealth Bank) コモンウェルス
- ANZ (The Australia and New Zealand Bank) エーエヌゼット
- WBC (Westpac) ウェストパック
の4つ。
誰もが知っている銀行で、「三菱UFJ」や、「みずほ」と同じような位置づけ。ATMと有人の店舗が全国どこにでもあり、カスタマーサポートも良し。永住者はもちろん、英語が苦手なワーホリ、留学生にも丁寧に口座開設を手伝ってくれる。これら以外にも数字だけみれば優秀な銀行はあるが、解約手続きが面倒だったりするでおすすめしない。
運営時間はATM24時間営業で、有人の店舗は基本、月から金まで9時から5時。
オーストラリア大手オンライン銀行
代表的なオンライン銀行は、
- UBank (ユーバンク)
- MeBank (ミーバンク)
- ING Bank (アイエヌジーバンク)
大手銀行と違い、実店舗は無いがやや高金利。
潰れるかもと不安な人もいるかもしれないが、万が一潰れても政府が担保してくれる。ただしオンライン銀行は留学生やワーホリよりも永住者向けなので別の定期預金の記事で解説した。最近は、定期預金の利率が下がっているので短期の高金利の口座ならこちらの記事を参照
オーストラリア口座の種類と選び方
オーストラリアの銀行口座は基本的に3つ。取引、普通と定期預金口座。
- 取引口座(Transaction Account)
- 普通預金(Saving Account)
- 定期預金(Term Deposit)
どの銀行も取引口座と一緒に普通預金を開設する。普通預金の名称は銀行ごとに違い、NABならiSaver、Comm BankならGoal Saverなどと呼ばれる。
お得な銀行口座を選ぶなら、基本金利に注目して選べば間違いない。理由は、月数ドルの口座維持費よりも利息の方が大きくなるからだ。
オーストラリアは金利の高い普通預金があり、それを利用するのがおすすめ。
普通預金は、2種類のタイプがある。
- 最初の数ヶ月高い金利のもの(普通預金A)
- 特定の条件で一定の金利を維持できるもの(普通預金B)
の2つ。
オーストラリア4大銀行の口座維持費、普通預金金利、定期預金金利、ATM台数をまとめは以下の通り。この2種類の普通預金AとBをうまく使い分けることで大きな利息を生むことができる。
銀行名 | 維持費($) | 普A(%) | 普B(%) | 定(%) | ATM(台) |
---|---|---|---|---|---|
NAB | 0 | 2.55 | 2.5 | 2.6 | 3400 |
CBA | 4 | 2.51 | 2.3 | 2.65 | 4000 |
ANZ | 5 | 2.55 | 1.7 | 2.6 | 2600 |
WBC | 5 | 2.5 | 2.3 | 2.5 | 3000 |
*2018年11月の情報。数字は変化するので参考程度に見てください。
口座維持費を取る銀行もあるが基本、学生はどこも無料。
また、Westpacはオーストラリアに来て1年以内ならどのビザでも維持費が無料になるのであまり維持費は気にする必要はない。
オーストラリアに来たばかりの人は事情を知らず、普通預金Aしか利用していない人が多く損している。以下のまとめを見て普通預金Bもうまく利用できるようになろう。
オーストラリアの銀行口座ならNAB
表からもわかる通り、普通預金AとB、定期預金の利率が平均的に他行より高く、誰にでもおすすめできる口座はNABだと断言できる。
また、口座維持費が完全無料なのはNABのみ。
他行でも維持費がかからない口座はあるが、学生、2000ドル毎月振込みがあるなど条件を満たさなければならず、ワーホリは常に振込があるとは限らないのでNABが一番無難だと思う。
NABには2つの普通預金
- iSaver (普通預金A)
- Reward Saver (普通預金B)
があり、Transaction Account(取引口座)を作ると、iSaver (普通預金口座A)を自動的に作ってもらえる。
iSaverは、最初の4ヶ月のみ2.55%と高い金利で、その後0.5%に下がる。
高い金利を維持するためには、Reward Saver(普通預金B)を別に開設することで、2.5%の金利を維持できる。ただし、Reward Saverは月一度の入金が必須で、お金を引き出したらもとの0.5%に戻るという条件がある。
月一度の入金はNABの取引口座から1ドルだけでよい。(オンラインバンクから自動で定期的に入金できる設定ができる。)
この条件さえ満たせば、他の銀行以上の高い利率を維持できる。もしReward Saverを使わなかった場合と、使った場合を比較すると、200ドル(約1万6千円)ほどの差額が生まれる(*100万円を1年預けたと仮定)。
2番目におすすめ銀行口座WBC
NABの唯一の欠点は、毎月の入金を忘れたり、引き落としを普通預金Bからすると金利が0.5%に一気に下がってしまうこと。その点、WBCのWestpac Lifeも同じように金利は下がってしまうが、Base rateが1%なのでNABの2倍。なので、予期せぬ支払いがあってもある程度の利率は維持できる。
なので、WBCは毎月の出費が予測できない人おすすめ。
WBCには2つの普通預金
- Westpac eSaver (普通預金A)
- Westpac Life (普通預金B)
があり、Westpac ChoiceというTransaction Account(取引口座)を作ると、Westpac eSaver (普通預金口座A)も作ってくれる。
WBCの普通預金Aは最初の5ヶ月2.51%の高い金利を維持できる。最初の4ヶ月のみのNABと違い、1ヶ月長く普通預金Aに預けていられるのも嬉しい。
それ以降は、普通預金Bに預けて毎月入金しておけば、預けておくだけである程度利息がもらえる。
定期金利が高いCBA
2年ぐらいの長期滞在者におすすめの銀行はCBA(Common Wealth Bank)。
CBAの一番の売りは定期預金の金利。上の比較表から分かる通り、他行と比べて高い。持っておいて損のない口座。ただし、永住者はオンライン銀行でも良い。オンライン銀行については、こちらの記事。
CBAの普通預金はNet SaverとGoal Saverの2つ。Net Saver(普通預金A)は最初の3ヶ月は2.51%。それ以降は0.5%。Goal Saver(普通預金B)は月々200ドル以上の入金があると1.65から2.3%にアップする。
CBAを短期滞在者におすすめしないのは、口座維持費を免除するためのルールが他よりも厳しいため。
- 2000ドル以上の毎月の入金
- 21 – 24歳は月1000ドル以上の入金
- 21歳以下は学生ビザ
などの条件で口座維持費が0になる。ただし、長期滞在社は定期的な入金がある人が多いので、維持費は免除される。
口座開設に必須の書類
オーストラリアの銀行口座はオーストラリアに到着後6週間以内ならパスポートと、本人確認のみで口座を開設できる。
注意すべきは、6週間後は100ポイントの身分証明制度を満たさないと口座を開設できなくなる。
身分証明制度とはパスポートで60、出生証明書で35ポイントなど提出種類ごとにポイント決まっていて100ポイント以上だとパスできる。中には英訳必須の書類もあり面倒。
口座開設時に最低限必須の書類は:
- 印刷したビザ許可書
- パスポート
- 6週間以内に来豪したと証明できる航空券
- 携帯番号
語学学校に通っていても学生書では学生として扱われない可能性があるので必ず渡航する際に発行されたビザを持参しよう。
銀行口座開設するおtオンラインバンクにアクセスできる。銀行によっては携帯にSMSでパスワードが送られてくるため携帯番号は必須。口座を作る前にかならず携帯番号をゲットしておこう。安く携帯を利用する方法はこの記事でまとめた。
帰国後、口座は維持か、解約か?
オーストラリアの利率は日本より高いので、オーストラリアの口座を帰国後も維持したいと思う人も多い。
しかし、オーストラリア口座から送金したり、住所変更をする場合、オーストラリアの携帯番号に送られてくるSMSを暗証番号として受け取らなくてはならず、日本に帰国したすると手続きが難しくなる。
また帰国後、日本で行う所得税の申告の際、オーストラリアの預金から生じた利子も所得として申告し、オーストラリアに利子に対する税金を払っているなら外国税額控除を受けるなど日本国内でも手続きが必要になってくる。
これらの面倒な手続きをしても良い、ある程度の英語ができるという人は、解約せずに維持しておくと日本の銀行に預けておく以上の利息が得られる。
また、維持する場合、近くの支店に出向き住所変更を行う。オーストラリアの非居住者になるので、銀行が自動的に非居住者に課せられる税金(10%)を口座から徴収する。
これをしておけば、日本に対する納税の義務がなくなる。ただし、二重課税されないために外国税額控除を日本で手続きしないといけない。
もし居住者のまま帰国してしまうと、利息がオーストラリア国内での収入とみなされ、金額が基準を超えるとオーストラリアのタックスリターンが必要になる。手続きをしないと、オーストラリア国税局の調査が入り、最悪ペナルティを受けることになります。
まとめ
唯一ANZだけはおすすめしなかった。ANZもそれほど悪くないが、すべて平均点すぎておすすめできるポイントがあまりない。ANZにするならNABにしておいた方が間違いない。金利、口座維持費、ATM数すべての面でNABが上回っている。
ANZを選ぶ理由があるとすれば、オーストラリアのワーホリが終わったらニュージランドでワーホリをしようと思っている人にはありかもしれない。
オーストラリアの口座にあるお金をニュージランドのATMから引き出すことができる。ただし、手数料を取られてしまうし、為替レートもいまいちなのでTransferWiseで送金した方お得になる。なので結局ANZを持つ理由はあまり無い。
もし質問などありましたら、Twitterもしくは下のコメント欄に気軽に聞いてください。
コメント
パパさんこんにちは。初めて訪問させていただきました。ブリスベン在住のアサと申します。
個人で銀行を開設したく情報収集始めました。
こちらで公開されている情報は2021年対応でしょうか?やはりNABが無難でしょうか?
最近は金利が下がってきていますが、基本的には同じだと思っていいと思います。定期預金など長期で預ける予定がある場合はオンラインバンクと併用するのが良いと思います。利率が多少ですが、高いので。以下の記事で詳しく書いているのでチェックしてみてください
https://papainaus.com/20150706161203/
初めまして。
コメント失礼します。
現在オーストラリアから日本に帰ってきて、コモンウェルスの住所を日本に変更したら、citizenshipとtax residency を確認して更新してくださいという内容のメールが届いてしまいまして、不安になっています。
銀行には約8万円程度しか残っていないのですが、これをcitizenshipとresidency を日本に変更すると、日本で確定申告やらをしないといけなくなるのでしょうか。。
銀行が自動的に非居住者に課せられる税金(10%)を口座から徴収する。
とありますが、
日本のcitizenshipとresidentをbothにして、オーストラリアをnone にしておけば、ここの税金10%だけを引かれるだけで済むのでしょうか、、
ちなみにその10%は何から引かれるのでしょうか?預金の利息の10%を毎月引かれるということでしょうか。
また今年オーストラリアに行く予定なのでどうするべきか悩んでおります。
もしご存知でしたら、ご教示頂きたく何卒よろしくお願いします。。