オーストラリアで出産を経験しました。
妻は肉体的にも精神的にも大変だったのですが、夫の僕も正直疲れました。予期できないことだらけで、助産師に身を委ねるしかなかったのですが、海外で慣れない文化の中で出産を経験するとこんなにも精神的に辛いものだとは思いませんでした。
これから海外で出産する人、また立ち会いの予定がある人に向けて、注意しておくこと、また、出産する前に知っておきたい英単語をまとめておきました。
ちなみに写真は、シドニーの病院の分娩室です。では行ってみましょう!
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1週間遅れの出産
出産日は予定よりも1周間遅れでした。
一週間経っても陣痛が全く起きないので、病院に行ったところ、すぐ入院だと言われました。
妻本人も気づかないうちに、羊水が徐々に漏れていたそうで、このままにしておくと危険だと言われました。
普通、羊水が一気に出るものじゃないのかと思いましたが、看護婦さんたちもこういうケースは稀らしく、何度も今まで羊水が小便に混じっていなかったか聞かれました。
妻にとって初めての出産でしかも、予期していないことが起きて、妻も不安だったはずですが、僕もまた不安になりました。
オーストラリアだとほとんどの男性が出産に立ち会うそうで、僕も特に何も聞かれること無く分娩室に通されました。
この時は、まだ16時。陣痛を誘発するために、注射(陣痛促進剤)を打ちました。ちなみに、陣痛促進剤は英語で、Inductionと言います。
長すぎる待機時間
注射を打った後、約3時間ずっと待機しました。時々脈を測り、陣痛があるかを聞かれるだけでした。
私は一旦家に帰って、入院用に用意しておいたスーツケースを取りに帰りました。
この時に「今日は長くなりそうだぞ」と感じはじめ、結局、19時に、やっと分娩室に行くことができました。
分娩室に入って陣痛が始まったものの、また、こっからが本当に長かった。
3時間ぐらいはずっと軽い陣痛が続き、妻が苦しむ側でただ見ている、声をかけるしかできませんでした。
だんだん、陣痛の痛みがひどくなっていくようで、最後の方は悲鳴をあげている感じで、もう本当に妻が死んでしまうんじゃないかと思うほどでした。
吸引分娩
夜中の2時を回ったときだったでしょうか、妻がどんなに踏ん張ってもダメ。3時間ぐらいずっと踏ん張っているんですが、全く出てきそうにない。
緊急で医者が呼ばれ、吸引分娩(Vacuum Extraction)という処置をすることになりました。日本でも一般的に利用されている処置で、なかなか出てこない場合、吸盤を子宮内の子供の頭にくっつけて、引きずり出すというなんとも荒っぽい処置のことです。。。
もう妻も疲れきっていたので、普通に分娩するのは無理だという判断でした。
なんとか引きずり出すことに成功した時、子供の頭を見ると紫色に変色し、頭が尖っていました。Suctionで引っ張るので頭がまだやわらかい子供の頭は簡単に変形してしまうそうです。この変色、変形は1ヶ月ぐらいで無事に治りました。
Ventouse – Wikipedia, the free encyclopedia
立ち会う前からこういう処置があるということは知っていたんですが、まさか自分の子供がそうなるとは思いもせずに立ち会ったので、同意書にサインしないといけないときは頭の中でいろんなことが駆け巡りました。
もし何か後遺症が残ったらどうしようとか悪いことばかり考えてしまって、精神的にきつかったです。
疲労困憊
妻が大丈夫かと思う不安、6時間ぐらい妻のベッドの横で立ち続けた疲労、子供の変色した頭を見たショックで、軽く目眩がして椅子に座り込んでしまいました。
この後、新生児の登録や、体重を測ったりして、結局終わったのは朝の7時ぐらいだったでしょうか。もうヘトヘトでした。(妻の方が大変なんですけどね。。。)
疲労で疲れきった後に来るのは、すべて無事に終わって良かったという安心感。そして、子供と妻のために頑張っていこうという気持ちでした。
出産の経験はケースバイケースなんでしょうが、本当に予期できないことが起きるのでその覚悟はしとくべきです。
海外出産前に覚えておくべき英単語
- Contraction / Labour Pain = 陣痛
- Induction = 陣痛促進剤
- Epidural = 硬膜外麻酔(効果的に効く。ほとんどの場合、痛みを全く感じない。母親側からすれば痛みを感じないので良いと思うかもしれないが、助産師、医者側はなるべく患者に利用してほしくないケースが多い。)
- Pain killer = 硬膜外麻酔と違い、痛みを減らす、ぼーっとするような感覚を引き起こす。麻酔とは違うので注意が必要。
- Midwife = 助産師
- labour room = 分娩室
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