オーストラリアに入国する際、持ち込み制限・禁止されているものがあります。
日本なら大丈夫なものでも、オーストラリアの検疫は厳しく、罰金、もしくは懲役。
自分の経験や、友人の話も踏まえながら解説していきます。
ルールさえ知っておけば、簡単に防げることなので、確認しておきましょう。
禁止物を持ち込むとどうなる?
2019年4月から新しい法律が施行され、
最大AUD$420,000(約3千万円)の罰金
もしくは
10年の懲役
です。
このような重い罰則を受けるのは麻薬など違法なものを持ち込んだ人が対象ですが、それ以外にも、ビザが無効・短縮されたり、オーストラリアに入国拒否されることもあります。
実際に起きた例を上げると、
オーストラリア入国カード記入方法
上の写真が機内で配られるオーストラリア入国カード(Passenger Card)。
以下がその日本語に訳です。
これらに該当するものを持っている場合、右側の「Yes」の欄にチェックします。
- 薬、武器、ドラッグ
- 2250ml以上のアルコール、25本か25g以上のタバコ
- 合計$900以上の免税店で購入した商品
- ビジネスで使う商品
- $10,000に相当する外貨
- 肉、魚、フルーツ、野菜、乳製品
- 穀物、種、ナッツ類
- 動物
上記のものがすべて持ち込みが不可なわけではありません。持っている場合、検疫官(Biosecurity Officer)の審査対象になります。
オーストラリアに持ち込み禁止リスト
オーストラリア国内に持ち込み禁止アイテムリストです。
大きく分けて3つの種類があります。
- 特定の食品(乳製品、魚製品、蜂蜜、肉・肉製品など)
- 植物の種、植物でできた商品
- 動物製品
オーストラリアに持ち込みが制限される食品リスト
以下の食品は持ち込み禁止。
- 生卵、ゆで卵
- 肉、ソーセージ
- 燻製肉(ジャーキー)
以下の食品は申請・申告すれば持ち込み可能な食品。
- 缶詰されたお肉・魚
- 卵が入っているお菓子類、親子丼の素など包装されたもの
- マヨネーズ、バター
- パスタ、ヌードル
- お茶、ハーブティー
日本茶や中国茶などでも入国カードで申請しないといけません。
が、入国カードを渡すと:
「What do you have?」(何を持っているの?)
と聞かれるので
「I have a tea」(お茶を持っているよ)
と説明しましょう。きれいに包装されているもの、乾燥しているものであればいちいち中を見せる必要もなく通過していいよと係員に言われるはずです。
不安に思ったら、申請用紙に何でも書いておけばOK。禁止の物、食品を間違ってカバンに入れてしまたとしても、申告しておけば絶対に罰金されることはありません。
植物の種や木製品、民芸品はオーストラリアに持ち込み禁止
オーストラリアの動植物に影響を与える可能性がある、もしくは微生物を含んでいる可能性があるため以下のものは持ち込み禁止。
- 生きた植物
- フルーツ
- 自家製料理
特定の種は申請、申告すれば持ち込み可:
- 種
- 植物・木でできた民芸品、製品
- 貝でできた製品
植物や貝関連のものは工場でちゃんと加工されているものは基本、大丈夫。ただし、手作りの民芸品など、穴が空いていたり、虫食いの跡などがあると不可。
例えば、木製の商品(上の写真)は実際に私がシドニー空港に持ち込んだもの。入国カードにちゃんとチェックをして検疫の人に「Wooden tray」(木製のトレー)があると伝えると、中身をチェックもせずに通してくれました。
私の友人のご両親は、植物の種を持ち込もうとして罰金$300でした。
持ち込める種とそうでないものがあるそうです。詳しくは公式サイトをチェックしてみてください。
ちゃんと入国カードに記入さえしておけば、ただ没収されるだけで済む話だったんですが、面倒だという理由で、申請書に記入しないで税関を通過したそうです。
日本から鞄の中にフルーツや自家製の料理を入れっぱなしにして持ち込んでしまう人もいますが、注意してください。持ち込み不可です。
動物製品、ペットは持ち込み禁止
以下のものは持ち込み禁止です。
- ペット
- その他動物
以下のものは申請・申告すれば持ち込み可です。
- 釣り、山登りで使ったギア
- 動物の毛皮、角
釣りや山登り、キャンピングなどで使用した道具は土や微生物などが付着している可能性があるので、必ず乾燥していること。
動物の毛皮や角などは持ち込み基本可ですが、綺麗・乾燥しているもののみ可です。
市販薬、常備薬の持ち込みは注意
市販薬を持ち込む
市販薬を持ち込む場合は簡単。
買った時に入っているもともとのパッケージに成分が書かれているはずなので、そのまま持ち込む。
もちろん、入国カードで申告する。
入国カードの1番上に薬の項目があるので、それにチェックを付ける。
また、念のため、薬の効能を英語で説明できた方が良い。
例えば、胃腸薬だったら「stomach medicine 」で大丈夫だし、まあわからなかったら身振り手振りで伝わる。
検疫の人も、英語をしゃべれない旅行者にも慣れているのでそこまで心配する必要はないが、スムーズに検疫を通過したいなら、簡単な英語を調べておいた方が良い。
病院で処方された薬
処方された薬でも、輸入許可証が必要なものもある。(例えば、ステロイドなど。)
場合によっては、担当医の処方箋(英語)が必要な場合もあり、処方箋のコピーと英語の薬の説明をが必要。
機内持ち込み禁止リスト
包丁はオーストラリアに持ち込みできるけど、機内はダメ
オーストラリアの包丁はなぜかいまいち切れ味が悪いので、僕も上の写真の包丁を持ち込むことを考えたんですが、オーストラリアに持ち込みできるか不安でした。
念のため、安全のためにガムテでぐるぐる巻きにして、預け荷物に入れました。
刃渡り18cm以下なら大丈夫だそうです。(実際には僕の包丁は19cmぐらいありました。)
入国カードにちゃんとチェックをして検疫の人に「kitchen knife」(キッチンナイフ)があると伝えると、中身をチェックもせずに通してくれました(笑)。
料理人もたくさん持ち込むので、いちいちチェックしないみたいです。
お酒、化粧品などはどうすればいい?
液体系、例えば化粧品や、お酒(アルコール)類は基本的には機内に持ち込み不可。
でも、機内で化粧品を使いたい時もありますよね?
そういう場合は、100ミリリットルの小さい容器に入れて、ジッパーの付いた透明プラスチック袋に入れておけば大丈夫。透明な容器、袋が見つからない場合は、こちらが便利です。ジップロックでも代用してもいいかもしれません。
化粧品、シャンプーなど、大きめのボトルに入っている液体をオーストラリアに持ち込みたいときは、預け荷物(Check in Luggage)に入れておけば5リットルまで大丈夫。
お酒、アルコールは大人一人あたり2.25リットルまでです。
更に詳しく知りたい方はイミグレ公式サイトをチェック。
カミソリ、電気シェーバーは大丈夫?
あと、カミソリも機内持ち込み不可。ただし、 預け入れは可。
搭乗するときに捨てないといけなくなるので注意しましょう。また、電気シェーバーは機内持ち込み、預け入れ両方可です。
スプレーは大丈夫?
シェービングクリーム、制汗スプレー、消臭スプレー、虫除けスプレーなどは預け入れ可。
ただし、引火性ガス、毒性ガスは不可なので、注意してください。
粉ミルク、プロテインパウダーはドラッグと間違えられる?
粉状のものはドラッグと間違われる心配をする方もいると思いますが、基本的には大丈夫。
なるべく封が閉じたものを持っていった方が誤解されにくいと思います。
実際、僕も子供と日本に帰国した時、タッパーに入れた粉ミルクを機内に持ち込みましたが、問題ありませんでした。
電池、バッテリー、スマートフォンなどは厳しいルールがあるので注意!
リチウムイオン電池が危険な理由は、衝撃や温度などの外的条件により発火・爆発する恐れがあるため。最近では、SamsungのNote 7が特定の航空会社で持ち込み禁止に指定されました。あれもバッテリーがある一定の条件下で爆発を起こすために決められたルール。
Samsungの件は置いといて、普通のリチウム電池内蔵の機器(腕時計、計算機、カメラ、スマートフォン、パソコン、ビデオカメラ等)などは預け入れ、機内持ち込み両方可です。
注意が必要なのが、予備バッテリー、モバイルバッテリーです。これらは機内持ち込みだけ可で、預け入れは不可!紛らわしいので注意してください。
ちなみに私は、このスーツケースを使っています。
キャリーケースやバックパックは高くてカッコイイものだと、すぐに盗まれたり、壊れたりするので、私はシンプルで安く、上部なものを使っています。
さらに詳しく知りたい方は、JALのおあずけ機内へのお持込に制限がある手荷物についてを参照してください。
オーストラリア入国をスムーズにするコツ
私がオーストラリアに入国する時は、毎回食品だけ別の袋にひとまとめにしています。
特に持ち込みがグレーそうなもの、卵類などは申請しやすいように最後に入れる。
上の写真にあるピックアップエリアで、チェックインした荷物を受け取ったら「Declare」と書いてあるゲートに進みます。
記入済みの入国カードを係員にわたし、場合によっては持ち込んだ食品を見せるよう言われるので、バッグの中身を見せます。
持ち込めない物がある場合、係りの方が「これ、没収します」と言われて、没収されて終わりです。
いろいろ書きましたが、ほとんどの密封された加工製品は大丈夫です。
実際、今回の旅行では卵を含んだ食品(どら焼き、チーズを含んだクラッカー)などを持ち込みましたが、鞄の中身をチェックもしないで、通過できました。
とりあえずなんでも怪しいものがある場合は、申請書に記入しておけば間違いありません。
ありがちな日本の食品関連の英単語を以下に書いときました。
- Perilla frutescens dressing (青じそ)
- Canned food (Chicken, Pork, Tuna)
- Cod roe (たらこ、明太子)
- Peanuts (ピーナッツ)
- Green tea (お茶)
- 乳タンパク(Whey Protein)
- 大豆(Soy)
- 小麦粉(Flour)
- 鰹節(Dried Bonito)
- チキンエキス(Chicken Extract)
- オイスターソース(Oyster Extract)
コメント
オーストラリア入国について、質問があります。ニュースでも、機内で食べて捨て忘れた食材を誤って鞄に入れていた事が、税関で分かり、罰金を命じられたら場合、少しでも軽減する方法は無いのでしょうか?おしえてください。